外壁塗装の主な塗料はアクリル・ウレタン・シリコン・ラジカル・フッ素・無機の6系統。藤原ペイントでは、現在の住宅外壁ならラジカル系と無機系をおすすめしています。ただし、種類名だけで決めるのではなく、実際の商品、耐候性、外壁との相性まで見て選んでいます。
まず結論:おすすめはラジカル系と無機系
藤原ペイントでは、現在の住宅外壁ならラジカル系と無機系をおすすめしています。
特にシリコン系とラジカル系は、塗料代がほとんど変わらない製品でも耐候年数に差があります。同じくらいの塗料代をかけるのであれば、私は耐候性の高いラジカル系を選びます。
さらに耐候性を重視する場合は無機系です。
ただし、「シリコンだから何年」「無機だから何年」と、塗料の種類だけで耐久年数を決めているわけではありません。同じシリコン系、ラジカル系、無機系でも製品によって性能は違います。
例えば、日本ペイントのラジカル制御形シリコン系「パーフェクトトップSi」の期待耐用年数は15年、無機系の「グランセラトップ1液水性」は20年です。
塗料を比べるときは「無機」「フッ素」「シリコン」という名前だけではなく、商品名とメーカーが公表している期待耐用年数まで確認することが大切です。

塗料の種類ごとの耐久性と価格の違い
下の表は、塗料の種類を大まかに比較するための目安です。同じ種類でも製品によって耐候性は異なるため、実際に選ぶときは商品ごとのメーカー資料まで確認してください。
| 種類 | 耐久の傾向 | 価格帯 | 特長 |
|---|---|---|---|
| アクリル | 短い | 廉価 | 初期費用を抑えやすい。現在の住宅外壁では使用機会が少ない。 |
| ウレタン | やや短い | 廉価 | 密着性や柔軟性があり、以前は外壁にも多く使われていた。 |
| シリコン | 中程度 | 中級 | 長く住宅塗装の中心だった塗料。同じシリコンでも製品差がある。 |
| ラジカル制御形 | 中〜長期 | 中級 | 塗膜劣化の原因となるラジカルを抑える技術を採用。 |
| フッ素 | 長い | 高級 | 高耐候グレード。製品によって期待耐用年数は異なる。 |
| 無機 | 長い | 高級 | 高耐候・低汚染の製品が多いが、「無機」だけで耐用年数は決まらない。 |
実際の耐久性は、外壁材や日当たり、塩害・粉じんだけでなく、下地処理・乾燥時間・規定膜厚でも変わります。藤原ペイントでは1日1工程を基本に、翌日乾燥状態を確認してから次の工程へ進みます。
私が実際に使ってきた塗料も変わってきました
塗装のことを25年以上しっかり研究している外壁塗装の専門家として、私自身もこれまでいろいろな塗料を実際に使ってきました。
私が塗装を始めた頃、今から25年以上前は単層弾性塗料もよく使っていました。当時私が使っていた単層弾性塗料は価格が安く、吹き付けタイル模様やマスチック模様にも使え、希釈して上塗りとして仕上げることもありました。
ただ、自分が塗った家を数年後に見ると、艶がなくなっていました。
これはメーカー資料を読んで知った話ではありません。自分で塗った家を、その後も実際に見てきた経験です。
20歳の時、自宅にシリコンフレッシュを塗りました
私が20歳の頃、まだ藤原ペイントとして独立する前の話です。
当時はアクリル塗料よりウレタン塗料が主流になっていて、私が扱っていたウレタン塗料は1缶1万円ほどでした。
自宅の外壁塗装を考えていた時、付き合いのある塗料屋さんから「日本ペイントのシリコンフレッシュが絶対に良い」と勧められました。
シリコンフレッシュは当時1缶3万円台。ウレタン塗料と比べるとかなり高かったのですが、自宅なので実際に使ってみることにしました。
外壁は真っ白に塗り替え、下塗り2回、シリコンフレッシュを上塗り3回で施工しました。
約13年経った頃にはチョーキングが出ていました。それでも塗り替えから約20年経った時点で、チョーキングはあるものの、白い外壁に目立つ雨染みはありませんでした。
この自宅は上塗りを3回しています。表面にチョーキングが出ても、その下にはまだ生きている上塗り塗膜が残り、外壁を保護してくれていたと私は見ています。

6種類の塗料を詳しく解説
アクリル系塗料

かつては主流だった塗料ですが、現在の高耐候塗料と比べると耐候性では劣ります。短期間の美観回復など目的がはっきりしている場合には選択肢になりますが、長期間住む住宅では他の塗料と比較して選ぶ必要があります。
ウレタン系塗料

艶や密着性、柔軟性があり、以前は外壁にも多く使用されていた塗料です。私が若い頃もウレタン塗料をよく使っていました。
現在は、シリコン系と塗料代がほとんど変わらないラジカル系でも、より長い耐候性を期待できる製品があります。そのため藤原ペイントでは、住宅外壁ならラジカル系をおすすめしています。
シリコン系塗料

価格・耐久性のバランスから、長く住宅塗装の定番だった塗料です。ただし「シリコン」と書いてあれば性能が同じというわけではありません。製品によって樹脂構成や耐候性は異なります。
私自身も20歳の時に自宅へシリコンフレッシュを使い、その後約20年間、実際の劣化を見てきました。昔のシリコンが悪いから現在ラジカル系を選んでいるわけではありません。塗料が進化し、塗料代がほとんど変わらなくても、より耐候性の高い製品を選べるようになったからです。
ラジカル制御形塗料

紫外線による塗膜劣化の原因のひとつとなる「ラジカル」の発生や働きを抑える技術を使った塗料です。
藤原ペイントで使用している日本ペイントのパーフェクトトップSiは、ラジカル制御形シリコン系塗料で、メーカーが公表している期待耐用年数は15年です。
藤原ペイントがラジカル系をおすすめしている大きな理由は、シリコン系と比べて塗料代がほとんど変わらない製品でも、耐候年数に差があるからです。
同じくらいの塗料代をかけるのであれば、私は耐候性の高い方を使います。
フッ素樹脂塗料

大型施設などでも使われてきた高耐候グレードです。ただし、フッ素という名前だけで耐候年数が決まるわけではありません。実際に使用する商品のメーカー資料を確認する必要があります。
無機系塗料

無機系塗料は、高い耐候性と低汚染性を持つ製品が増えています。
藤原ペイントで使用しているグランセラトップ1液水性は、日本ペイントの無機系塗料で、メーカーが公表している期待耐用年数は20年です。
私が約20年間経過を見てきた自宅を次に塗り替える時にも、グランセラトップ1液水性を使いました。
無機系だから選んだ、というだけではありません。普段からお客様の家で使っているので、扱いやすさも分かっています。耐候性も含め、実際に使い続けてきた私の中での信頼が桁違いでした。
お客様の家に普段使っている塗料だから、自分の家にも同じものを使いました。
ただし、「無機塗料=全部20年」ではありません。
無機という分類だけで判断せず、メーカー、商品名、メーカーが公表している期待耐用年数まで確認することが大切です。
OEM塗料の耐候年数は製造元まで確認する
外壁塗装の見積書やパンフレットを見ると、塗装会社や販売会社のオリジナル塗料を見かけることがあります。いわゆるOEM塗料です。
OEMだから悪いという話ではありません。
ただ、私が気になるのは耐候年数の表示です。
私はOEM塗料を見るとき、販売している会社のパンフレットだけでなく、実際に製造している塗料メーカーが公表している耐候年数も確認します。
製造元メーカーが公表している耐候年数より、販売する側に書かれている耐候年数の方が長ければ、なぜ長くなるのかを確認した方がいいと思います。
OEM用に配合や仕様を変えていて、その耐候年数を裏付ける試験結果があるのなら、その資料を確認すれば分かります。
塗料名に「無機」「フッ素」と書かれていることや、パンフレットに大きく書かれた年数だけで決めず、製造元と、その塗料の耐候年数の根拠まで見る。
塗料を比較するときには、ここも確認してほしいところです。
外壁材に合う塗料を選ぶ
窯業系サイディング

現行戸建てで多く使われている外壁材です。塗料のグレードだけではなく、既存塗膜やチョーキング、吸い込みの状態を確認して下塗りを選びます。
チョーキングが強い場合など、下塗り1回で吸い込みが止まっていなければ、藤原ペイントでは状態を確認して下塗りをもう1回入れることがあります。
シーリングにはオートンイクシードを標準使用しています。
モルタル外壁

モルタル外壁では、ひび割れの状態や既存塗膜、表面の傷み方を確認して下地処理と下塗りを決めます。
上塗りの種類だけではなく、先に下地をどこまで直す必要があるかを見ることが重要です。
ALC(パワーボード)

ALCは吸水性が高く、目地も多い外壁材です。上塗り塗料だけを決めるのではなく、下塗り、目地、開口部のシーリングまで含めて仕様を決めます。
金属サイディング・トタン

金属系外壁では、錆の状態、既存塗膜、素材を確認して下塗りを選びます。上塗りだけを高耐久にしても、錆処理や下塗りが合っていなければ意味がありません。
塗装がほとんど必要ない外壁材もある
お家を建ててから10年を過ぎると、外壁のメンテナンスが気になってきます。毎日、雨や風・紫外線にさらされるため汚れや劣化が進みますが、外壁材の種類によっては「塗装がほとんど不要」または「塗装頻度が極めて少ない」素材もあります。
一般的に、表面が無機質で化学的に安定している素材(例:タイル・レンガ)は塗膜による保護を必要としません。ただし「外壁本体に塗装が不要」でも、目地・下地・副資材(接着材・シーリングなど)は経年劣化するため、定期点検と部分的なメンテナンスは必要です。
樹脂サイディング

樹脂サイディングは、塗装によるメンテナンスの負担が少ない外壁材です。ただし、建物全体が完全なメンテナンスフリーになるわけではありません。継ぎ目や付帯部などは点検が必要です。
タイル外壁

砂・石・粘土を焼成した無機質素材で、タイル本体は基本的に塗装による保護を必要としません。ただし、接着部分や目地モルタルは劣化するため、浮きやひび割れなどの確認が必要です。
レンガ外壁

レンガも基本的には定期的な塗装による保護を必要としない素材です。一方で、レンガ目地は経年劣化するため、ひび割れや欠落などを確認します。
藤原ペイントで使用している主な塗料
外壁
- パーフェクトトップSi(ラジカル制御形シリコン系/期待耐用年数15年)
- グランセラトップ1液水性(無機系/期待耐用年数20年)
- 下塗り:水性パーフェクトシーラー、パーフェクトサーフなど、外壁の状態に合わせて選定
付帯部
- 下塗り:パーフェクトプライマーなど、素材に合わせて選定
- 上塗り:グランセラトップ2液ファイン
屋根
- ファインパーフェクトベスト
- グランセラベスト2液ファイン
シーリング
- オートンイクシード
おすすめはラジカル系と無機系。ただし種類名だけでは決めない
藤原ペイントでは、現在の住宅外壁ならラジカル系と無機系をおすすめしています。
シリコン系とラジカル系で塗料代がほとんど変わらないのであれば、私は耐候性の高いラジカル系を選びます。さらに耐候性を重視する場合は無機系です。
私自身、単層弾性、ウレタン、シリコンと実際に使ってきました。20歳の時には自宅にシリコンフレッシュを塗り、その外壁を約20年間見てきました。そして次の塗り替えでは、普段からお客様の家に使い、扱いやすさや耐候性を見てきたグランセラトップ1液水性を自宅にも使いました。
だからこそ、私は「無機だから」「シリコンだから」という名前だけでは塗料を選びません。
商品名、メーカーが公表している期待耐用年数、外壁材との相性、下塗り、施工方法まで見る。そして実際の外壁の状態を見て、その家に合う塗料を選ぶ。
どれだけ耐候性の高い塗料でも、下地処理・塗布量・乾燥時間を守らなければ、本来の性能は出ません。
藤原ペイントでは1日1工程を基本に、翌日乾燥状態を確認してから次の工程へ進めています。
