外壁の色は、塗り終わってから簡単に変えられるものではありません。藤原ペイントでは、私がおすすめの色を決めるのではなく、お客様自身が納得して選べることを大切にしています。色シミュレーション、日塗工の色見本帳、A4サイズの色見本板、それでも迷う場合は実際の外壁へのサンプル塗りまで行っています。
外壁塗装の色を私からおすすめしなくなった理由
私が独立した頃は、今よりモルタル外壁の塗り替えが多く、外壁全体を1色で仕上げる家もたくさんありました。
その頃は私も、お客様から色の相談を受けると「この色がいいと思いますよ」と提案することがありました。
でも、長く塗装を続けているうちに、それで本当にいいのかなと思うようになりました。
塗装の仕事をしている私が「この色がいいですよ」と言えば、お客様は「塗装のプロが選ぶ色だから絶対に良いはず」と思われるかもしれません。
塗り終わった直後は、古くなっていた外壁そのものが綺麗になります。当然、喜んでいただけます。
ただ、その喜びが「本当にこの色が一番気に入った」ということなのか、私には分かりません。
そのときは良くても、1年後に「あっちの色にしておけば良かったかな」と思われるかもしれない。
だから今は、私の好みで「この色がおすすめです」と決めるような提案はしていません。
例えば、お客様が日塗工の色見本帳からN-60を選ばれたとします。
そのときも「N-60が一番いいですよ」とは言いません。同じくらいの暗さでも、青みがかったグレーや少し赤みがかったグレーもあることをお伝えします。
知らなかった色があるなら、一度見てもらった方がいい。
そこから実際に比べて、最後に決めるのはお客様です。
外壁で選ばれることが多い色と見え方
外壁ではベージュ、ブラウン、グレー、ホワイトなど、比較的落ち着いた色を選ばれることが多くあります。ただ、同じ「グレー」「ベージュ」と呼ばれる色でも、明るさや色味が少し違うだけで家全体の見え方は変わります。
ここでは、藤原ペイントが実際に施工した外壁写真を見ながら色の違いを紹介します。
完成した住宅の色は、👉 外壁塗装の施工事例集でも確認できます。
ベージュ|やわらかく落ち着いた印象

ベージュといっても、黄色を感じる色、赤みを感じる色、グレーに近い落ち着いた色などがあります。
「ベージュにしたい」と決めたあとも、そこで終わりではありません。何種類かを並べて見ると、少しの違いでも印象が変わることが分かります。
ブラウン|濃淡で印象が大きく変わる

ブラウンも幅の広い色です。濃いブラウンと明るいブラウンでは、同じブラウン系でも完成した家の印象はかなり違います。
外壁だけで見るのではなく、サッシや玄関、雨樋など、すでに家にある色との組み合わせも見ながら決めていきます。
グレー|同じ明るさでも色味が違う

グレーは特に色の違いを見比べてほしい色です。
無彩色のグレーだけではありません。同じくらいの明るさでも、少し青みを感じるグレー、赤みを感じるグレーなどがあります。
色見本帳を開いて近い色を並べてみると、「こっちのグレーの方が好き」という違いが出てくることがあります。
ホワイト|白にもいろいろな色がある

白も1色ではありません。
真っ白に近い色もあれば、少し黄色やグレーを感じる白もあります。小さな色見本ではわずかな違いに見えても、外壁全体に塗ると印象が変わります。
イエロー|明るさと色味で印象が変わる

イエロー系も、淡いクリームに近い色から、黄色がはっきり分かる色まであります。
「黄色は派手」「黄色は明るい」と一括りにはできません。どのくらい黄色を感じる色なのかで、完成した外壁の見え方は変わります。
小さな色見本と実際の外壁では色が違って見える
色選びで難しいのは、小さな色見本で見た色と、実際に外壁へ塗ったときの色が同じようには見えないことです。
小さな色見本から外壁ほどの大きな面積になると、色の感じ方は変わります。日向と日陰でも違いますし、晴れている日と曇っている日でも見え方は変わります。
これは特別なことではありません。
だから私は「小さな色見本で見たときより半トーン暗くすれば大丈夫」というように、一律には決めていません。
大事なのは、最初から1つの色に決めつけることではなく、実際に確認する色の大きさを少しずつ大きくしていくことだと思っています。
藤原ペイントで実際に行っている外壁の色決め
藤原ペイントでは、画面だけを見て最終的な外壁色を決めることはおすすめしていません。
カラーシミュレーションは、外壁と屋根の組み合わせを変えたり、2色にしたときの全体像を見たりするには便利です。
ただ、画面で見る色と実際に塗った色は違って見えます。
そのため、最後は日塗工の色見本帳で実際の色を確認してもらいます。
候補を5色まで絞ってA4サイズの色見本板を取り寄せる
日塗工の色見本帳を見て候補が決まってきたら、5色までA4サイズの色見本板を取り寄せています。
色見本帳の小さな色とA4サイズでは、同じ色でも見え方が変わります。
ここで「思っていた色と少し違う」となれば、無理にその中から決める必要はありません。もう一度候補を見直します。
それでも迷ったら実際の外壁へ約1㎡のサンプル塗り
A4サイズの色見本板まで見ても決めきれない場合は、少し費用はかかりますが、実際の外壁へ約1㎡のサンプル塗りをすることもできます。

このお客様は、最初に4色を実際の外壁へサンプル塗りしました。
そこで終わりではありません。
4色の中から気になる1色を残し、新たに3色を取り寄せて、もう一度外壁へ塗って比較しています。
ここまで確認すれば、色見本帳だけを見て頭の中で完成を想像するより、実際に自分の家へ塗った状態で比べることができます。
私は色を決める立場ではありません。
でも、お客様が自分で「この色にする」と納得して決められるところまでは、できるだけ確認できる方法を用意したいと思っています。
外壁を2色で塗り分ける方法
外壁は1色だけで仕上げるとは限りません。建物の形を利用して2色に分けることもできます。
ここでは、藤原ペイントが実際に施工した3つの塗り分け方を紹介します。
1階と2階で色を分ける

1階と2階の境目を利用して色を変える方法です。
上下で色がはっきり分かれるので、2色の違いが分かりやすい仕上がりになります。
縦ラインで色を分ける

外壁の面や建物の形に合わせて、縦方向に色を変える方法もあります。
どこでも自由に線を作るのではなく、サイディングの目地や建物の角など、実際の外壁を見ながら色を切り替える位置を決めます。
バルコニーなど外壁の凹凸で色を分ける

バルコニーなど、外壁から出ている部分だけ色を変える方法もあります。
同じ2色を使う場合でも、1階と2階で分けるのか、縦で分けるのか、バルコニーだけ変えるのかで家全体の見え方は変わります。
だから2色塗りでも「この組み合わせがおすすめ」と色だけを決めるのではなく、その家の形と一緒に見て考えます。
屋根・雨樋・破風板・サッシも含めて色を見る
外壁の色だけを見て決めると、実際に家全体を見たときに印象が変わることがあります。
家には外壁以外にも、屋根、雨樋、破風板、鼻隠し、水切り、シャッターボックス、軒天、サッシ、玄関扉など、いろいろな色があります。
特にサッシなど、外壁塗装をしても基本的に色が変わらない部分があります。
外壁だけを単独で見るのではなく、変えられない色も含めて家全体を見ることが大切です。
2色塗りにする場合は、さらに色数が増えます。
外壁の2色だけを見て決めるのではなく、雨樋や破風板などをどちらの色に近づけるのか、それとも別の色にするのかまで見ていきます。
外壁の素材によって同じ色でも見え方は変わる
同じ色を塗っても、外壁の表面が違えば見え方は変わります。
表面が比較的平らな外壁と、凹凸の大きいサイディングでは、光の当たり方や影のでき方が違います。
モルタルでも、表面が滑らかな仕上げと、リシンなど凹凸のある仕上げでは同じではありません。
色番号だけを見て「この色ならこの仕上がりになる」と考えるのではなく、実際に塗る家の外壁でどう見えるかまで考える必要があります。
外壁の色による汚れ・色あせの見え方
色を選ぶときは、塗った直後の見た目だけでなく、汚れや色あせがどのように見えるかも考えておいた方がいいです。
白に近い色では濃い汚れが目立ちやすく、かなり濃い色では砂埃や白っぽい汚れが目につくことがあります。
濃い色や鮮やかな色は、色あせたときに塗装直後との差を感じやすい場合もあります。
ただ、「汚れが目立ちにくいからこの色がおすすめ」と、それだけで色を決める必要はないと思っています。
何年も見る外壁なので、汚れの目立ち方も知ったうえで、自分が気に入った色を選ぶ。その方がいいと私は考えています。
風水を取り入れて外壁の色を決める
外壁の色を決める理由は、見た目だけではありません。
風水を気にして色を選ぶ方もいます。
風水では、色によってさまざまな意味があるとされています。例えば黄色は金運や活力、白は浄化、緑は健康や調和などと結び付けて考えられることがあります。
これは塗料の性能のように科学的な効果を示すものではありませんが、色を決めるときの考え方の1つにはなります。
実は、私の自宅も風水を意識して外壁を黄色にしています。

これは私自身が自宅の色を決めたときの選び方です。
だからといって、お客様に「風水なら黄色がいいですよ」とすすめることはしません。
色の決め方は人それぞれです。
好きな色から選んでもいい。今の家と雰囲気を変えたいという理由でもいい。風水を意識して決めるのも1つです。
最後に住むのは私ではなく、お客様です。
だからこそ、私の好みではなく、お客様自身が納得できる色を選んでもらいたいと思っています。
外壁塗装の色選びで後悔しないために
外壁の色選びに「この色を選べば絶対に失敗しない」という答えはありません。
私も昔は、お客様へ「この色がいいですよ」と提案していました。
今はそうしていません。
お客様が選んだ色の近くに別の色があれば、それはお見せします。カラーシミュレーションで家全体を見ることもできます。
そこから日塗工の色見本帳で確認し、候補を5色まで絞ればA4サイズの色見本板を取り寄せる。それでも迷うなら、少し費用はかかりますが、実際の外壁へ約1㎡塗って比べることもできます。
小さな画面から始めて、色見本帳、A4サイズ、最後は実際の外壁へ。
確認するものを少しずつ本物に近づけていけば、自分で納得して決めやすくなります。
外壁は塗り終わってから何年も毎日見るものです。
「藤原さんがおすすめしたからこの色にした」ではなく、最後に「自分でこの色を選んだ」と思ってもらえる色決めにしたい。
私はそのための選択肢と、実際に確認できる方法を用意するのが塗装店の役目だと思っています。
