吹き付け塗装とは?特徴やメリット、減少している理由を解説

外壁塗装にはいくつかの施工方法があり、使用する道具や塗り方によって仕上がりの印象が変わります。最近ではローラーを使った塗装を見かける機会が増えていますが、以前は吹き付けによる施工も多く行われていました。

吹き付け塗装は、独特の模様や立体感を出しやすいという特徴があります。その一方で、塗料の飛散や吹きムラへの配慮が必要です。ここでは、吹き付け塗装の特徴や減少した理由、施工時の注意点、職人の技術について解説します。

吹き付け塗装とは

吹き付け塗装とは、スプレーガンなどの専用機器を使い、塗料や仕上げ材を霧状または粒状にして外壁へ吹き付ける施工方法です。ローラーや刷毛を直接外壁に当てて塗る方法とは異なり、材料を噴射しながら塗膜や模様をつくっていきます。

使用する材料や吹き付け方を変えることで、さまざまな質感を表現できます。大理石調の仕上げや、スキン、スタッコと呼ばれる凹凸のある外壁などにも使われる工法です。洋風の住宅など、外壁に少し表情をつけたいときにも取り入れられる工法です。

吹き付け塗装のメリット

吹き付け塗装の特徴は、外壁にさまざまな模様や質感を表現しやすいことです。スプレーガンから材料を吹き付けることで、細かな凹凸や厚みをつくることができます。スキンやスタッコなど、外壁そのもののデザインを楽しみたい場合にも向いています。

また、障害物が少ない広い壁面であれば、連続して材料を吹き付けながら施工できます。ただし、単純に広い範囲へ吹けばよいわけではありません。均一に仕上げるためには、壁との距離やガンを動かす速度、塗料の量を調整しながら施工する必要があり、職人の技術が求められます。

吹き付け塗装が減っている理由

藤原ペイントで塗装の仕事を始めた1998年頃は、外壁の塗り替えでもローラーより吹き付けで施工する現場が多くありました。当時はお客様の間でも「外壁塗装といえば吹き付け」というイメージが強く、一般的な施工方法の1つでした。しかし現在、塗り替えで吹き付け塗装を行う割合は1割程度まで減っています。

減少した原因の1つが、塗料の飛散に対する懸念です。現在は飛散を抑えやすい機械もありますが、それでも近隣から「塗料が飛んでくるのではないか」と不安の声が出ることがあります。住宅が近接する地域では、車や窓、植栽などへの配慮も必要です。こうした背景もあり、現在はローラーで仕上げる現場が多くなっています。

塗料の飛散を防ぐための対策

吹き付け塗装では塗料を空中へ噴射し施工するため、飛散への対策がとても大切です。風向きや隣の建物との距離なども確認しながら、塗料を付けたくない部分はしっかり養生してから作業を始めます。

藤原ペイントでは、大理石調塗装やスキン、スタッコなどの吹き付け施工を行う際、足場に設置する飛散養生シートを二重に掛けています。飛散の少ない機械を使用するだけでなく、現場でも対策を重ねることで、周辺への影響をできるだけ抑えられるよう施工しています。

吹きムラが起こる原因

吹き付け塗装で注意したいのが、仕上がりに生じる吹きムラです。スプレーガンと外壁との距離や角度、動かす速度が一定でないと、部分的に材料が多く付いたり、薄くなったりします。こうした塗布量のばらつきが、外壁を離れて見たときの色や模様の違いとして現れます。

特に難しいのが、足場の縦軸が外壁に近い場所や、上下の足場をまたいで施工する部分です。障害物を避けることで腕の動きや姿勢が変わるため、吹き付ける距離も変化しやすくなります。こうした部分を違和感なくつなげていくには、何度も現場を経験しながら感覚を身につける必要があります。

下の写真は、実際に吹きムラが出た外壁です。上と下は同じ写真で、下の写真だけムラが分かりやすい部分に赤線を入れています。

吹き付け塗装で実際に発生した吹きムラを赤線で示した外壁

赤線の周辺を見ると、吹き付けた材料の付き方に差があり、横方向や縦方向にムラが出ているのが分かります。施工中に足場の上から近い距離で見ていると気付きにくくても、少し離れて壁全体を見るとこうしたムラが見えてきます。

職人の経験が仕上がりを左右する

以前は吹き付けの現場が多かったため、現場を繰り返し経験する中で技術を身につける機会が多くありました。藤原ペイントでも、長く塗装業に携わっている職人は数多くの吹き付け現場を経験しており、ガンの距離や動かし方などを体で覚えています。

一方、現在は吹き付けの現場そのものが減っているため、若い職人が経験する機会も少なくなっています。そのため藤原ペイントでは、吹き付けの現場がある場合には必ず若い職人にも練習させています。最初は障害物のない外壁から始め、慣れてきた段階で壁面全体を担当させ、実際の施工を通して技術を身につけていきます。

失敗を生かした職人教育

吹き付け塗装では、きれいな仕上がりを見るだけでなく、自分の施工によってどこにムラが出たのかを確認することも大切です。藤原ペイントでは、若い職人が施工した部分に吹きムラが出ている場合でも、先輩職人がその場ですべてを直して終わらせることはありません。

いったん仕上げまで進め、足場を解体したあとに本人へ吹きムラを確認させます。そのうえで必要があれば足場を組み直し、自分でムラを修正します。どこで距離や動かす速度が変わったのか、どの部分のつなぎ方が悪かったのかを本人が考えながら直すことで、失敗を次の施工へ生かせるよう指導しています。

吹き付け塗装を検討するときのポイント

吹き付け塗装は、大理石調やスキン、スタッコなど、外壁に特徴のある模様や質感をつくりたい場合に適した工法の1つです。一方で、塗料の飛散や吹きムラなどに注意する必要があり、現場の環境や職人の経験によって施工の難易度も変わります。

塗装方法を選ぶ際は、外壁の状態や建物の形状、周辺環境、希望する仕上がりを踏まえて判断することが大切です。吹き付け塗装を検討する場合は、施工経験だけでなく、飛散対策や養生方法、仕上がりを確認する体制についても確認するとよいでしょう。工法ごとの特徴を理解し、建物に合った方法を選ぶことが外壁塗装では重要です。

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