外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本です。

ただ、実際の外壁を見ていると、すべてのお家を3回塗りで仕上げていいわけではありません。

外壁や屋根は、東西南北で紫外線がものすごく当たる面と、そうでない面があります。同じお家でも塗膜の劣化スピードは全く違います。

藤原ペイントでは、3回、4回、5回と最初から回数だけで決めていません。下塗りが乾いた時の艶や濡れ色、吸い込み具合を見て、必要なら下塗りの回数を増やします。

3回で大丈夫なら3回。下塗りがもう1回必要なら4回。下地によっては5回塗ることもあります。

外壁塗装は3回塗りが基本

一般的な外壁塗装は、下塗り1回、中塗り1回、上塗り1回の3回塗りです。

日本ペイントのカタログでも、窯業系サイディングボードなどの塗り替えは、下塗り1回と上塗り2回の3工程が標準になっています。

日本ペイントの外壁塗装3工程の標準仕様

写真の赤線を引いている部分を見てください。

ここには、「カタログに記載されている内容は一般的な環境下での施工を想定して記載されております。」と書かれています。

これは日本ペイントだけではなく、塗料メーカーのカタログに共通して書かれている内容です。

3回塗りは基本ですが、実際のお家は全部同じ状態ではありません。南面と北面でも傷み方が違いますし、同じ塗料を塗っても下地への吸い込み方が違うことがあります。

風化面や吸い込みのある下地への増し塗りについて記載された日本ペイントの資料

こちらも写真の赤線を引いている部分を見てください。

風化面や吸い込みの著しい下地について、「使用量は濡れ感が出るまでを目安とし、素地への吸い込み個所がある場合はその部分を増し塗りしてください。」と書かれています。

塗装のことを25年以上しっかり研究している外壁塗装の専門家・藤原健太として、私が現場で見ているのも下塗りをした後の状態です。

10代の頃、3回塗りした屋根を親方に内緒でやり直した

外壁や屋根は、東西南北で紫外線がものすごく当たる面とそうでない面との塗膜の劣化スピードが全く違います。

通常の3回塗りで大丈夫な面と、劣化していた面を3回塗りで仕上げてしまった時も10代の頃に1度だけありました。

大屋根の塗装が終わり、外壁塗装をしている時も大屋根の仕上がりがずっと気になっていました。

「南面の屋根だけ少しムラが出ていて、艶も少ない気がする。長持ちするかな?」

心配で、私は数日間悩みました。

上塗りでは吸い込みを止めることができないのを知っていたので、親方に内緒で大屋根の南面を下塗りからやり直しました。

下塗り、中塗り、上塗りの3回をもう一度塗って綺麗になり、心のモヤモヤが消れました。

この経験があるので、今は「3回塗りだから3回で終わり」ではなく、下塗りを塗って乾燥した状態を見てから次の工程を決めています。

下塗りの回数は面ごとの吸い込みを見て決める

下塗り1回で大丈夫な時と、下塗りの回数を増やす必要がある時は、乾燥後の艶や濡れ色の残り方が一目瞭然です。

外壁の下塗り後に艶と吸い込みを確認している施工状態

藤原ペイントでは基本的に1日1工程です。

下塗りをした日に中塗りまで進めず、翌日に乾いた状態を見ます。

下塗り後の外壁表面の吸い込み状態を確認した実例

私が見るのは建物全体をひとまとめにした状態ではなく、東面、西面、南面、北面と面ごとの吸い込み具合です。

1つの面の中に吸い込みの激しいところがあれば、必要だと判断した場合は、その部分だけではなく面全体をもう1回下塗りします。

下塗り2回で4回塗りになる外壁

下塗りを1回塗って乾燥させても吸い込みが止まっていなければ、もう1回下塗りをします。

下塗り1回目 → 下塗り2回目 → 中塗り → 上塗り

これで合計4回です。

4回塗った方がいいから4回塗るのではありません。下塗り1回で大丈夫なら、そのまま中塗りへ進みます。

反対に、吸い込みが止まっていないのに「3回塗りだから」と中塗りへ進むことはしません。

現地調査から施工管理まで私が担当しているので、下塗りをした後の状態も自分で確認して決めています。

リシンやスキンでは5回塗りになることもある

リシンやスキンなど、吸い込みの激しい外壁では5回塗りになることがあります。

パーフェクトシーラー1回目 → パーフェクトシーラー2回目 → パーフェクトサーフ → 中塗り → 上塗り

これで5回です。

シーラーを2回塗って、まず吸い込みを止めます。

シーラーを2回塗った後にサーフを塗る理由

シーラーで吸い込みは止まりますが、リシンやスキンなどは骨材が入っていて、吹き付けをした際に無数の気泡のような小さい穴が空いています。

その穴を埋めて表面を整えておくのがサーフの仕事です。

中塗りや上塗りでは、こうしたピンホールはなかなか埋まりません。

吸い込みを止めるためのシーラーと、表面を整えるためのサーフでは役割が違うので、外壁の状態によっては下塗りだけで3工程になります。

モニエル瓦にシーラーを3回塗った実例

下塗りの回数を増やすことがあるのは外壁だけではありません。

実際に塗装したモニエル瓦で、下塗りの吸い込みがよく分かる写真があります。

ファインパーフェクトシーラー1回目

モニエル瓦にファインパーフェクトシーラーを1回塗って乾燥した状態

この屋根は右側の屋根面を先にファインパーフェクトシーラーで塗り、乾燥してから左側を塗りました。

写真のてっぺん部分は、右側を塗った時と左側を塗った時のシーラーが重なっているので、そこだけ2回塗りになっています。

1回塗りの部分はシーラーをかなり吸い込んでいますが、てっぺんの2回重なった部分には、乾燥後も濡れ色と艶が残っています。

同じ屋根の同じシーラーでも、1回と2回でこれだけ違いが出ました。

この状態だったので、ここで中塗りには進みませんでした。

ファインパーフェクトシーラーを3回塗った状態

モニエル瓦にファインパーフェクトシーラーを3回塗った状態

このモニエル瓦は、最終的にファインパーフェクトシーラーを3回塗りました。

上の1回目の写真と比べると、シーラーを3回塗った理由が分かると思います。

最初から「この屋根は3回下塗りする」と決めていたわけではありません。

塗って、乾かして、吸い込みを見る。それでも足りなければもう1回塗る。実際に3回必要だった屋根です。

外壁でも同じように、塗った回数だけではなく、乾燥した後の状態を見て次の工程へ進みます。

4回・5回塗りになった場合の費用

藤原ペイントでは、合計4回塗りまでは見積金額の中で施工しています。

下塗りをもう1回必要だと判断して4回塗りになっても、その1工程を追加料金にはしていません。

5回塗りになり、下塗りだけで3工程必要になった場合は、下塗り3工程のうち1工程分を藤原ペイントが負担します。

見積もりを出した時には、実際に下塗りをして乾燥させた後の吸い込み具合までは分かりません。

だから実際に塗ってみて、もう1回必要だと私が判断した時は、必要な下塗りをします。

塗った工程は毎日のLINE動画で確認できます

4回塗り、5回塗りとホームページに書くだけなら簡単です。

藤原ペイントでは、その日に行った施工を3分程度の動画で撮影し、1日10本以上LINEでお客様へ送っています。

下塗りを2回した日も、サーフを塗った日も、中塗り、上塗りも、完成して見えなくなる前に実際の施工を確認してもらっています。

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3回・4回・5回は下地を見て決める

3回塗りで大丈夫な外壁なら3回塗ります。

下塗りをもう1回必要だと判断すれば4回。リシンやスキンなどで、シーラーを2回塗って吸い込みを止め、サーフで表面まで整える必要があれば5回になることもあります。

モニエル瓦では、今回紹介したようにファインパーフェクトシーラーを3回塗ったこともあります。

私が10代の頃、3回塗りで仕上げた大屋根の南面が気になり、数日間悩んだ末に親方に内緒で下塗りからやり直したことがありました。

今でも見るところは同じです。

何回塗ったかだけではなく、下塗りをした後の外壁や屋根が、次の工程へ進める状態になっているか。

そこを自分で確認してから次の工程へ進みます。

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